オルツ
株式会社オルツ alt Inc.
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種類 | 株式会社 |
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市場情報 | 東証グロース 260A 2024年10月11日~2025年8月31日(予定)[1] |
略称 | |
本社所在地 | ![]() 東京都港区六本木七丁目15番7号 新六本木ビル SENQ六本木402 |
電話番号 | |
設立 | 2014年11月 |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | 人工知能を活用したデジタルクローンの開発 |
代表者 | 代表取締役社長 日置友輔 |
資本金 | 2,298,340千円 |
売上高 | 連結:6,057,228千円 単体:6,057,288千円 |
総資産 | 連結:6,765,549千円 単体:6,713,478千円 |
従業員数 | 連結:75人 単体:23人 |
決算期 | 12月 |
主要株主 | |
主要子会社 | |
関係する人物 | |
外部リンク | 株式会社オルツ |
特記事項:財務データは2024年12月期、第11期有価証券報告書より[2] |
事業[編集]
元メディアドゥ取締役で未来少年代表取締役を務めた米倉千貴[3]によって、2014年11月に東京都江東区で設立。米倉自身ベンチャー経営に携わる中で企業の規模拡大において社長の業務時間の不足がネックになると考え、労力対効果の向上に於いて人工知能(AI)による自動社長ボットに業務代行を構想[4]。パーソナル人工知能の開発を目的として、オルツを創業した。2019年には東京都港区に本社を移転[5]、2024年10月11日には東京証券取引所グロース市場に株式を上場した[6]。
オルツ社のデジタルクローン は、最低13項目のプロフィールを読み込ませることで本人の性格をとらえさせることができる。さらに項目数を増やしたり、電子メールやチャットの内容を共有することにより、本人に代わって講演会に出演したり、投資会社への資金調達のための事業説明を行わせることができるようになる[7]。
2020年には、音声認識を応用した議事録作成ソフト「AI GIJIROKU」を公開した[8]。
不祥事[編集]
2025年4月27日に証券取引等監視委員会がオルツ社に対し有価証券報告書の虚偽記載の疑いで強制調査、「AI GIJIROKU」の売上の多くが循環取引による架空のものだとして第三者調査委員会が設置された[9]。同年7月28日に調査委員会の報告書が公開され、2021年以降総計119億円が過大に売上計上されていたばかりか、上場にあたっては日本取引所自主規制法人の上場審査などに対し事実と異なる取引実態を説明したことが判明した。これに伴い米倉社長は引責辞任、後任として最高財務責任者の日置友輔が社長に就任した[10]。
東京証券取引所は2025年7月25日、上場会社が有価証券報告書等に虚偽記載を行った場合に該当すると認められる相当の事由があり、直ちに上場を廃止しなければ市場の秩序を維持することが困難であると当取引所が認める場合に該当するおそれがあると認められることや、新規上場申請に係る宣誓書において宣誓した事項について重大な違反を行った場合に該当するおそれがあると当取引所が認める場合に該当したため、オルツを監理銘柄(審査中)に指定したが[11]、東京証券取引所は7月30日、新規上場申請に係る宣誓書において宣誓した事項について重大な違反を行った場合に該当したため、オルツを8月31日付で上場廃止にすることを決定した[1][12]。これにより上場から10か月余りでの上場廃止になる。
また、今回の件が明らかになったのを受け、財務状態の悪化が深刻となるおそれがあり、自力での再建が困難な状態に陥っているとして、オルツは同日の取締役会で民事再生法の適用申請を決定、東京地方裁判所に申請し受理されたと発表し、事実上倒産した。負債額は6月30日時点で約24億円としている。東京地裁からは即日保全処分及び監督命令を受けており、今後事業を継続しながらスポンサー支援による再生を目指すことにしている[13]。上場企業の倒産は2024年11月27日に民事再生法の申請を申請した日本電解(当時東証グロース上場)以来となる[14][12][15][16]。
脚注[編集]
- ↑ 1.0 1.1 上場廃止等の決定:(株)オルツ東京証券取引所 2025年7月30日
- ↑ (2025-03-27) 第11期有価証券報告書 pdf 株式会社オルツ [ arch. ] 2025-04-30
- ↑ 当社の不適切会計を主導した極悪人
- ↑ (2022-10-24) 【オルツ社×SMBCベンチャーキャピタル】急成長を遂げるパーソナルAI開発企業・オルツ社。成長の要因と描く未来とは SMBCベンチャーキャピタル 2022-10-24 arch. 2025-04-26 2025-04-30
- ↑ (2024-09-05) 新規上場申請のための有価証券報告書 PDF 株式会社オルツ(東京証券取引所) 2024-09-05 [ arch. ] 2025-04-30
- ↑ (2024-10-11) オルツの米倉千貴社長「パーソナルなAIモデルに強み」 日本経済新聞 arch. 2025-04-29 2025-04-30
- ↑ (2024-03-04) “デジタルクローン”が働く会社 NHK おはBiz 2024-03-04 arch. 2025-03-08 2025-04-30
- ↑ (2024-05-29) 「現場での言った言わない問題を解決!」AIベンチャー「オルツ」が提供する「建築GIJIROKU」とは!? デジコン 2024-05-29 arch. 2024-12-09 2025-04-30
- ↑ (2025-06-05) 急成長のAI企業、売り上げ7割水増しか 決算粉飾の疑いで強制調査 朝日新聞 [ arch. ]
- ↑ (2025-07-28) 119億円の過大計上か 上場時に虚偽説明も オルツが報告書公表 朝日新聞 [ arch. ]
- ↑ 監理銘柄(審査中)の指定:(株)オルツ東京証券取引所 2025年7月25日
- ↑ 12.0 12.1 不正会計のAIベンチャー・オルツ、上場廃止が決定。民事再生手続きへ,Business Insider Japan,2025年7月30日
- ↑ ただし再生を支援するスポンサーは極少である
- ↑ AI新興のオルツ、民事再生法を申請 循環取引で架空売り上げ,日本経済新聞,2025年7月30日
- ↑ 株式会社オルツ,帝国データバンク,2025年7月30日
- ↑ (株)オルツ,東京商工リサーチ,2025年7月30日
関連項目[編集]
- 日置友輔 - 元サッカー選手でオルツ最高財務責任者(CFO)を歴任後、2025年7月28日に不正会計問題を受けて辞任した米倉千貴の後任として代表取締役に就任(CFO兼任)。
- 猛暑 - 2025年夏の記録的猛暑がオルツの諸問題による廃業の背景にあるとの指摘もある。